運動によって筋肉は落ちる?落ちない?同化(アナボ)と異化(カタボ)についての話だよ
運動で筋肉が減る?同化(アナボ)と異化(カタボ)

運動すると筋肉が落ちるってホント?

エナジーの消費が激しくなると通常の代謝では間に合わなくなるからタンパク質、つまり筋肉を分解して体がエナジーを確保しようとするんだよ。

そう言うことか〜。

じゃあ今日はアナボリズムとカタボリズムについて話すよ。

聞いたい!

ちょっとこの記事を読んで欲しいんだ。
“アナボリズムとは日本語で「同化」や、「同化作用」と呼ばれるもので、身体に必要なエネルギーを食事によって生み出し、体内に蓄えること。
これに対し、カタボリズムとは日本語で「異化」や、「異化作用」と呼ばれるもので、身体に蓄えてあった糖質や脂質、タンパク質を分解してエネルギーにすること。アナボリズムの対義語となる言葉だ。
より身近な言葉でいうと、食べたものから筋肉や脂肪にエネルギーを蓄え、大きくすることがアナボリズム、筋肉や脂肪に蓄えた栄養を削り出してエネルギーにすることがカタボリズムとなる。“

何となくワカルような様な、ワカラナイ様な。。

一見分かりやすいようだけど、大きな誤解を生む表現をしているから分かりにくいんだよ。

じゃあ、どこがどう違うの?

簡単に言えば、
分解する事が異化=カタボリズム
合成する事が同化=アナボリズム

うん、蓄えてあるのもを分解するかどうかでしょ?

蓄えているのもでけでなく食べ物を酵素によって消化することも異化(カタボリズム)で、つまり分解は口の中から始まっているんだ。

なるほど、食べ物の分解が書かれていないね。

そして分解はタンパク質だけではないから、
タンパク質→アミノ酸→アシトルCoA(アセチルCoAは和製英語だよ!)
脂質→グリセロールと脂肪酸→アシトルCoA
糖質→単糖→アシトルCoA
矢印で示しているように大きく3つの段階があるんだよ。

アシトルCoAはマイトコンドリアの中でクエン酸になってエナジーを生み出すんだよね⁈

その通り!この3段階でもエナジーを取り出しているから、燃料を取り出す作業が異化=カタボリズムだよね。

この記事はまだマシな方で、筋肉の分解が異化って思ってる専門家が多いんだ。
しかもカタボリックに気をつけようって言うんだけど、カタボリックは形容詞だからカタボリズムに気をつけてようって言うのが正しい表現だよ。
カタボリズムの反対がアナボリズム、同化作用と言って、形容詞はアナボリックと言うんだよ。

へ〜、世の中間違いだらけだね〜。

と言うことは、アナボリズムは同化だから逆の反応ってコトになるんだね。

鋭いね!細かくなった分子を合成して身体に貯める事が同化=アナボリズムだよ。
異化の3段階の逆反応のような事が起きて、グライコジェンや中性脂肪、筋タンパクにする事でエナジーの材料を保存することだよ。

なるほど〜。アナボリズムは「身体に必要なエネルギーを食事によって生み出し」がまず違うね。

うん、身体に必要なエナジーを生み出す、と言うか取り出すのはカタボリック作用だからね。

それから、「筋肉や脂肪に蓄えた栄養を削りだしてエネルギーにする事がカタボリズム」って言うところも違うよね?

そう言うコト!
食事に保存されたエナジーの材料と体内に保存したエナジーの材料を取り出す事がカタボリズム=異化ってコトなんだよ。

ふ〜ん。

あとは「食べたものから筋肉や脂肪に蓄え、大きくする事」がアナボリズムと言うのも正確では無いんだよ。

どこが不正確なの?

アナボリズムは大きくする事ではなくて合成してエナジーの材料を保存しているだけだし、食べたものだけを分解・合成しているだけじゃなくて保存してあるものを分解してまた合成しているからね。

保存されてるものを分解してまた合成するの?

そうだよ。

どう言うコト?
全てのタンパク質は遊離するアミノ酸(アミノ酸プール)から作られているって話だよ!
タンパク質は遊離アミノ酸から作られる

例えば、体重50キロの人がいるとするよね。

うん。

体重の変動がなく毎日50キロとするよね。

毎日体重が同じってコトだね⁈

そう、問題は体重を維持できるのは何でかって事。

何で?

食事をした後、食事性の栄養素のカタボリズムが起こるよね。

糖質は単糖に、脂質は脂肪酸とグリセロールに、タンパク質はアミノ酸に分解されるんだよね?

そう、これらをエナジーとして使うのと同時にエナジーの材料保存も行われる。
しかも、胃の中で分解(カタボリズム)しながら細胞内ではアナボリズムが亢進=合成の促進がおこるんだ。

グライコジェンや中性脂肪、筋タンパクの合成だね!

そして、空腹時にはその逆、身体に蓄えた栄養素の分解=カタボリズムの促進が始まるんだよ。
それはエナジーを作るために糖を合成(=アナボリズム)をしてるから。
そしてまた食べてって繰り返しているんだ。

言いたいことが分かったよ。
実際には身体の構成成分が出たり入ったりしてるし、アナボリズムとカタボリズムは同時に起こってるから体重が維持できるってワケだね⁈

その通り!

なるほど〜。

さらにアミノ酸を例にすると体内には90〜100gのアミノ酸が遊離していて、ここから筋タンパクやDNA(核酸)、糖や脂質の合成を作ったり、その逆筋タンパクの分解したもの、食事性のタンパク質の分解したもの、代謝中間体からのアミノ酸新規合成をしたものが遊離アミノ酸になるんだ。

じゃあ分解したり合成したりして遊離アミノ酸90〜100gを維持しているんだね⁈

ピンポン!でも遊離アミノ酸1つ1つにどこから分解されてどこに合成されるのか印が付いているわけではないし、これもアナボリック作用とカタボリック作用が同時に起きてるってことだよ。

だから、筋タンパクが分解されて遊離アミノになってまた筋タンパクに合成されることもあるって事だね⁈

そう言う事!

ふ〜ん、遊離アミノさんか〜。

アミノ酸プールとも呼ばれているね。

改めて専門家の記事を見ると間違えてる所がワカルね。

アナボリズム=合成=同化、
カタボリズム=分解=異化

常にどちらかは起きてるんだよね。

空腹、厳密には絶食してから時間が経てば経つほど貯蓄分子のカタボリズムが亢進し、その分子から糖を作るアナボリズムが起こるよ。
そして運動をしてもカタボリズムの亢進が起こるんだ。

ここまで聞いて分かったんだけど、運動するときにアミノ酸を補給すると筋肉が落ちないって、カタボリズムでは無くなるってコトなの?

うん。結局筋タンパクがアミノ酸プールに入ってくるところを別のアミノ酸で防ぎましょうってコトなんだよね。

だから運動中にアミノ酸を飲む人がいるのか。

みんなが飲んでるアミノ酸は分枝鎖アミノ酸ってものなんだけど、その中でもルーシン(ロイシン)というアミノがカタボリズムの抑制とアナボリズムの促進に効果がある事が示唆されているんだよ。


糖質も脂質もタンパク質も全部脂肪にかえるシステムがあるんだね!
