
続きだよ!
チリ産鮭に使われる農薬の話だよ!
割と最近の話までするよ!
最後にまとめと問題点を書いたよ!
まとめと問題点

まずは、どのくらい殺虫剤が散布されているか見てみよう。

鮭1トンに対する殺虫剤の散布量はカナダが最も低くて
チリはカナダの139倍
ノルウェーはカナダの43倍
スコットランドはカナダの27倍
だよ!

抗生物質ほどではないけど、チリはダントツなんだね。

やっぱり薬が効かなくなっているの?

そういうこと!

他と比べてカナダは同じ駆除薬(エマメクチン安息香酸)だけを使用しても、薬剤耐性を持った海ジラミが発生していないから使用量が少ないって言うことなんだ!

2005年末以降、エマメクチン安息香酸塩の有効性が失われたと報告されているよ!
有効性が無いのに2007年まではエマメクチン安息香酸塩が唯一認可された殺虫剤だったから大量に使用されてきたんだ。
エマメクチン安息香酸塩のジェネリック版の使用およびその管理や監督が不十分なため、使用される有効成分の濃度が増えたことがチリにおける耐性の発生に関与していると考えられている。

そして、多剤耐性と言う海シラミまで出てきてしまったんだ。

つまりどんな薬も効きにくいってことだね?

そう言う事!

じゃあ、薬の使用量が増えていくのは自然の流れだね!
2009年ごろからは代替品を使用するようになり、エマメクチン安息香酸塩の使用量は45%になり2011年には20%まで低下。
代替品として使用されるようになったデルタメチリンと シペルメトリンは海ジラミに特異性ではなく、ほかの甲殻類などに影響を与えている可能性がある。

海シラミ以外の生物に影響があるって事なんだ!

うん、海シラミだけを殺虫剤の標的にすることは難しいんだ。

殺虫剤ってどうやって処理するの?

殺虫剤はエサに染み込ませる経口投与(in-feed)と薬浴法(bath treatment)があるよ!

エサに混ぜると、未摂食のエサや糞便粒子が分散して海底に蓄積される傾向があんだ!

抗生物質の場合は80%は環境に出て行くんだったね。
Samuelsenその他(2015)は堆積物中の残留農薬レベルは低いが、残留物を含む粒子は養殖場から1,100 mまでのところで発見されたことを示した。

1キロ先にまで拡散するんだね!
スコットランドでの最近の研究では、養殖網から150メートル離れた場所でも甲殻類の数が大幅に減少した。
(シーフードウォッチ2017年)

身の危険を感じて逃げたのかな?

その可能性はあるよね。

1キロ以上逃げていれば安全なんじゃないかな?

でもね、こんなのもあるよ!
海シラミ駆除の非標的生物に対する毒性は低濃度では慢性的な性質になる傾向がある(Mackenその他 2015)(Lillicrap その他 2015)。

そっかいつも相当遠くにいないと薬の影響はからは逃げられそうにないね。

いずれにしても大部分が駆除後に養殖場から排出されて拡散するってことだね。

煙がモクモク立ち昇るように海底に広がって行くのか!
研究者の中には、そのような処理では放出後もかなりの間毒性が持続するかもしれないと主張している者もいるが(Burridgeその他 2010)、Mackenその他(2015)はアザメチホス のような薬浴駆除は素早く放出され分散して希釈するので、慢性的な影響を受ける可能性は限られているが、主に非標的生物に急性的な影響を与えると結論づけた。
疫学的なカイアシ類(プランクトン)に関する彼らの研究では、アザメチホスは高濃度で急性毒性を示したが、低濃度では発生への影響を引き起こさないことがわかった。

こっちは慢性的じゃなくて急性的な影響って言ってるね。
アザメチホスの分散に関する研究は、それが10 mを超える深さでは検出されないことを示しているので、堆積物中に大量に発生する可能性は低い(私的なコメントIntesalその他 2017)。

10mに到達する前に拡散していくってことになるね。
Burridgeその他(2010)は次のように結論付けている。「データは一般的に、シラミ駆除による悪影響は(起こるにしても)それは軽度であり、空間的および時間的な制限を受けることになると暗示しているが公開された現場データは稀だ。」
また次のように述べている。「累積した影響を適切に扱った研究(研究室または分野)はない。」6年後、Tuccaその他(2017)はチリ南部にある養殖場付近で4種類の農薬(エマメクチン安息香酸、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、シペルメトリン)の堆積物中濃度を測定した。
報告されている毒性データによると、シペルメトリンの濃度は特に底生無脊椎動物の潜在的リスクを表わしている。

底生無脊椎動物?

海底にいる脊椎の無い生物、ナマコ、ウニ、ヒトデ、カニ、エビ、イソギンチャク、貝類なんかは底生無脊椎動物になるよね。

なるほど。
チリなどで使われるシラミ駆除の環境毒性に関する最近の研究の限られた利用可能性によると
「薬浴は水柱煙として放出され、かなりの期間にわたって毒性を保持する可能性がある」という記述は、懸念の指標として概ね有効である。
チリでの大量の海シラミ駆除では、非標的生物への影響の可能性が高いようだ。

つまり海シラミ以外の無脊椎動物達への影響が高いってことだね!

そのようだね!
特に問題視されているのは、殺虫剤に対して抵抗性を持った海シラミが出現してしまっていること!
抵抗性も駆除の頻度が高いためにチリでの重要な関心事であり、少なくとも10年間にわたり繰り返し発生する問題であった(Yatabe その他 2011)(Bravo その他 2013)(Jones 2013)。
さらに、Helgesen(2014)は、チリでの複数の海シラミ駆除に対する耐性が発達していることを実証した。

そして、殺虫剤の使用に関連するマニュアルはあっても頻度や量に制限が設けられていないことだね。
抗生物質のセクションと同様に、Sernapesca(水産庁)の「チリのサケにおける抗微生物剤および抗寄生虫剤の使用のための安全実施マニュアル」には、チリの規制の概要、および安全実施のリストが含まれている。
これらには、認可された治療、獣医診断と処方の必要条件、予防目的での使用禁止などの制限はあるが、殺虫剤の頻度や総投与量の制限はない。

ってことは、寄生虫が出るたびに使うってことだ!

うん、最初のグラフの意味がわかったでしょ?!

他の地域より寄生虫の発生頻度が高くて薬も効かなくなっているってことだね!

そう言うこと!

避けた方が方がいい理由が何となくわかったよ!
まとめと問題点
シーフードウォッチの調査報告によると4カ国全て養殖鮭は “避けた方がいい”と評価されているよ!
ただし、4カ国とも生産地域、養殖・管理方法によってはベストチョイスと評価されてもいるよ。
点数によって赤が避けるべき、緑は安全、黄色はその中間と言う評価になっているよ!
チリの養殖鮭は薬物の使いすぎで評価は10点満点の0だよ。評価は赤でもない黒だよ!

つまり、『チリ産の鮭は食べない方が良い』と言うのは『デマではない』よ!
このデータを崩せるだけのデータを出したら『デマ』だと言えるだろうね!
ただし、通常は残留薬物がなくなるまで出荷されない。
残留薬物と言う点で見れば、日本の企業が監督している商品は安全?
万が一残留薬物が見つかった場合は食卓には並ばないルールになっている。
1尾づつ全部位を検査することは不可能。
そして、どこの企業が監督したものかも分からない。
だからこそ、避けるべきと言う評価になってるよ!
薬物を与えられ続けた鮭は本当に健康?
ウニやカニやエビは大丈夫?
:https://www.seafoodwatch.org/-/m/sfw/pdf/reports/s/mba_seafoodwatch_farmedchilesalmon_report.pdf
:https://www.huffingtonpost.jp/konomi-kikuchi/salmon-from-chile_b_10162068.html
:https://www.huffingtonpost.jp/konomi-kikuchi/chile-salmon-postscript_b_10434934.html
:http://www.seachoice.org/wp-content/uploads/2011/12/MBA_SeafoodWatch_FarmedSalmonSummary.pdf
:http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/shindan_h19/shindan05.pdf
:https://www.reuters.com/article/us-chile-salmon-antibiotics-feature-idUSKCN0PX1IG20150723
:http://www.parc-jp.org/kenkyuu/2008/chile-salmon2006.pdf
:http://www.diplo.jp/articles18/1812-03saumon.html
:https://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/fish_tech/4-1/08.pdf
:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1462-2920.12134
:https://www.packard.org/