労災と過労死ラインって何?

人間は仕事の疲れとか仕事のし過ぎが原因で病気になったり死んだりするんだって。

そう言う問題の事を労働災害(労災)問題と言うんだよ。
労災は病気だけじゃ無く怪我も入るんだ。
労災で死んでしまう事を一般的に過労死と言うよ。

労災と過労死か〜。

例えば仕事が原因で病気(脳卒中や心疾患)や怪我になって働けないってなったら、お金を貰えるんだよ。
貰えるといっても会社と労働者でいざという時の為にかけておかないといけない保険から受け取るって仕組みなんだけどね。

へ〜。でも怪我の原因は簡単に分かるけど、病気の原因が仕事かどうかどうやったら分かるの?

いい質問だね!
どれだけ長く働いたら病気になりやすいって言うデータがあってそれを元に『過労死ライン』と言う形で決められているんだ。

どれだけ長く働いたら病気になりやすいの?

『過労死ライン』は
病気を発症する前の月に100時間以上時間外労働していた場合、
また発症6ヶ月前から2ヶ月前に月平均で80時間以上の時間外労働があった場合、
この2つのどっちかに該当していれば労災と認定されるんだ。

時間外も働くって事だよね?月に80時間って長いの?

すごく長いよ。
働く時間、働かせて良い時間は法律で決まっていて、原則1日8時間、週40時間までなんだ。
つまり時間にして1ヶ月に2週間分多く働いてる計算になるからね。

へ〜、確かにそれは大変だ!
労働基準法・時間内労働の限度は?

会社で働く時間は週に40時間になるよう、大まかに次の3つの時間割が推進されているよ。

どちらも1週間で40時間だね!3つ目は?

会社によっては年中無休もあるから、働く人は交代で休みを取るなんてケースもあるんだ。

そんな場合も一定の期間、例えば1年間の中での平均を週に40時間となるような変形労働時間制もあるよ。
これが3つ目だよ。

じゃあ、どの働き方でも会社は週1日以上、4週で4日以上の休みをあげないとダメって事なんだ。

それから、その日に6時間以上働く場合は45分以上の休憩、8時間以上働く場合は1時間以上の休憩をあげないといけない事になっているんだよ。

って事は〜、6時間働く人は実質6時間45分、8時間の人は実質9時間会社に縛らて帰れないって事だね。

まあ、これは働く人が休みを取って心身共にリフレッシュする為の権利だから仕方ないよ。
8時間休憩なしで仕事して帰りたいって人もいるかもしれないけど、作業効率が悪くなるよね。

働く人みんなが国が決めた時間で仕事をやめて帰れればいいのにね。

そうだね。でも実際には会社と働く人との間で合意があれば時間外労働(残業)を認めてあげましょうと言う事になっているね。

その残業の過労死ラインが80時間とか100時間とかなんだね。
労働基準法・時間外労働(残業時間)の限度は?

その残業時間についても限度が決められているんだよ。
認められている残業時間の限度は次のようになっているよ。
1週間で15時間まで
2週間で27時間まで
4週間 で43時間まで
1ヵ月で45時間まで
2ヵ月で81時間まで
3ヵ月で120時間まで
1年で360時間まで

そっか~、80時間だと限度の2倍になっちゃうね。

会社と働く人との間で交わす約束でサブロク協定と言うんだよ。
働く人の残業時間の制限を設けた労働基準法の36条から来ているんだよ。

約束って大事だよね。

そして合意した内容は決められた用紙に記入してキチンと届け出ないといけないんだ。
その届け出用紙を36協定届と言うよ。
○法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、または、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要です。この協定のことを労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36協定」といいます。

労使ってどう言う事?

会社と働く個人との約束ではなく、会社と労働組合との約束事ですよって事。
労働組合が無い場合は働く人が集まって代表者を選んで、その代表者と会社の話し合いで決めるのがルールなんだ。
「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)」締結の際は、その都度、当該 事業場に➀労働者の過半数で組織する労働組合(過半数組合)がある場合はその労 働組合、2過半数組合がない場合は労働者の過半数を代表する者(過半数代表者) と、書面による協定をしなければなりません。

だから会社が勝手に個人に対して命令をして法律で決まっている時間外で働かせるの違法なんだよ。
労働基準法を守るには?

なんでこんなに決め事があっても労災問題は無くならないの?

そもそもこのルールを会社も働く人も熟知と徹底出来ていないから、過労死問題まで発展するんだよね。

どうすれば死なないですむのかな?

本気で労働問題を解決するには働く人が政治の力で厳しく罰則を作らせるしかないよ。
労働者はちゃんと選挙に参加して会社は法律を守る、これしかなよね。

選挙に参加するとどうなるの?

今の日本っていう国が日本人や外国に対して行うサービスを決めているのは自民党って言う政治グループなんだ。

法律を決めてるんだよね。

自民党というのは大きな会社の集まりで出来ている経団連や中小の会社の集まりで出来ている日本商工会議所、経営者個人の集まりである日本経済同友会や医師会なんかが応援しているよ。

つまり、お金持ちとか人を雇う立場の人達が自民党を応援しているんだね。

どうして働かせる側が応援しているグループが法律を決めているかと言うと、働く人まで一緒になって自民党を応援しているか、働く人が選挙に行っていないと言った理由じゃないかな~。
これでは労働問題と言うのはいつまで経っても解決するはずないよね。

働かせる人の意見が有利にが働いてしまうんだね。

ちなみに働く人の権利を守る集まりが労働組合。
全国の労働組合の集まりを労働組合総連合会、単に連合とも言うよ。
この連合が応援していないるのは民主党(現・民進党)なんだよ。

なるほど、労働組合の意見がしっかりと浸透しないと労働問題が解決出来ないわけだ。

そう言うこと!

みんな一人一人が良く考えて選挙に参加しないといけないよね。
労働基準法・有給休暇はどのくらい?

最後になるけど、働いている人に心身リフレッシュしてもらうようにお休みをあげなさいって決まっているんだよ。

僕たちロボも時々お休みしないと故障しちゃうもんね。

このお休みはさっき話した休みとは違って、休んでも一日分の給料がもらえる有給休暇って言うお休みだよ!

へ~そんなのもあるんだ!

でも会社は休まれた上に給料まで支払わないといけないから、休みが取れない人も沢山いるのが現状なんだよ。

でも、決まってるんでしょ?

そう、だから本気で労働の問題を解決するんだったら働く人の意見が強くなるような国にしないといけないってことなんだよ!
年次有給休暇は次のように決められているよ。
使用者は、労働者が(1)6ヶ月間継続勤務し、(2)その6ヶ月間の全労働日の8割以上を出勤した場合は、10日(継続または分割)の有給休暇を与えなければなりません。
6ヶ月の継続勤務以降は、継続勤務1年ごとに1日づつ、継続勤務3年6ヶ月以降は2日づつを増加した日数(最高20日)を与えなければなりません。
簡単に言うと、、、
有給休暇を取るのは就職してから半年経たないと取れないよ。
その半年間の出勤実績が全労働日の8割必要だよ。
勤続開始後半経てば10日休暇がとれるよ。
勤続1年半経てば11日休暇がとれるよ。
(6ヶ月の継続勤務以降は、継続勤務1年ごとに1日づつ)
勤続2年半経てば12日休暇がとれるよ。
勤続3年半経てば14日休暇がとれるよ。
(継続勤務3年6ヶ月以降は2日づつを増加)
勤続4年半経てば16日休暇がとれるよ。
勤続5年半経てば18日休暇がとれるよ。
勤続6年半からは1年毎に20日休暇がとれるよ。
*6年半以降は何年働いても毎年20日までだよ。
(最高20日)
また、それぞれ発生した休暇を取る権利は2年後には消滅するから気をつけてね。
