
今日は日本語の誤用が多い「破天荒」をやるよ。

平成20年文化庁の調べでは実に*約70%の人が誤用していたんだって。
*間違った意味で使用している人=64.2%+本来の意味と間違った意味の両方で使っている人=5.4%

どんな誤用なの?

どうやら「豪快で大胆な様」と言う用法みたいだよ!

破天荒芸人とか破天荒ADとか言ってるよね。

破天荒ADのナスDは確かに定義の意味で使っていたね。

でも、そもそも「破天荒解」と言う4字熟語を省略したモノなんだ!
「型破りの意味」と「破天荒の意味と由来」

3文字じゃないんだ!

由来はこうだよ。
由来:
中国古代の科挙制度で、唐の時代、荊州(けいしゅう)は長い間、予備試験合格者(解)から中央の本試験に合格する者を出せなかったので、「天荒解」と呼ばれていた。劉蛻(りゅうぜい)が初めて本試験に合格したので、そのとき人々は未開の地を脱したという意味で、「天荒を破る」と言ったという。
「破」はここでは、成し遂げる。「天荒」は、天地が分かれる前の混沌としたさま。また、未開・不毛の地の意。「解」は、中国の官吏登用制度の科挙(かきょ)で、地方の予備試験に合格し、中央の本試験を受ける資格を得た者。語構成が「破」+「天荒」+「解」であることに注意。
意味:いままでだれも成し遂げえなかったことを実現すること。また、型破りなこと。
引用:goo辞書

科挙とは今で言う官僚のことだよ。

官僚の予備試験合格者が「解」だね!

中国では天(目に言見えないパワーを持った存在)と人が密接な関わりがあって影響しあっている(天人相関説)と言う思想があるんだ。

簡単に言うと天地が荒れるのは指導者に徳がないから(政治家の「不徳の致すところ」はここから来ている)で、徳は天から与えられると考えられているんだよ。

つまり、自然災害が起こるのも指導者に徳がないからだと言うことになるね。

その土地が不毛ってことは、「天」に認められていないからって言えそうだね。

だから、人「解」がその状況「天荒」を破った「破」ってことは、天に認められたすごい人と言う認識だったと思うよ。

試験に通るという単純な意味ではなくて、もっと特別な意味が合って受かったんだね!

そうだね。天に認められたと言う意味を含んで、「誰も成し遂げられなかったことを実現した人」って意味なんだよ。

型破りってどういうこと?

でも「型にはまらない」ことと「実現性」には因果関係はないよね。

そうだね。劉蛻(りゅうぜい)は型の中での合格だろうしね。

因みにナスDはこの「型破り」の意味で「破天荒」が使われていたよ。

豪快で大胆のイメージが強いナスDだけど、「破天荒解」にはそのような意味はないよ!
破天荒の類義語

破天荒解は前人未到と言う4字熟語でほぼ意味の置き換えができるよ!
過去にだれも到達したり足を踏み入れたりしていないこと。いままでだれも成し遂げたことがないということ。▽「前人」は今までの人、先人。「未踏」はだれもその場所に踏み込んでいないということ。「未踏」は「未到」とも書き、この場合はだれもたどり着いていない地点。
引用:goo辞書

なるほど!
荊州けいしゅうから合格者が出たのは前人未到(破天荒)と言うわけだ!

でも破天荒は人「解」を修飾するのに対して、前人未到は「記録」を修飾する傾向が強いよ!

うーん。
今度は荊州(けいしゅう)から合格者が出たのは前代未聞(破天荒)と言うわけだね。

破天荒解と前人未到には成し遂げたと言うポジティブさを含んでいるけど、前代未聞は中性で、ネガティブに使われる傾向が強いね。

これも中性だね。

「良し悪しがなく」て「珍しい」の最上級表現と言えそうだね。

じゃあ、「珍しすぎる」って意味だね。
ずばぬけてすぐれている形容。また、非常に珍しいことの形容。今までで最高であって、これからもないであろうという意から。▽「冠」はかんむりで、人の一番上につけることから最高にすぐれている意。略して「冠絶」ともいう。
引用:goo辞書

ポジティブな含みがあるよ。

「最高に素晴らしい!」って意味だね。

そうだね!

これで、4つの使い方もマスターできるね!