・味覚の種類と分類!
・味蕾の分布図は間違い!
・辛味を感じない人が味覚障害と言うのは間違い!
味蕾の種類と分布の関係

人間のベロって味を感じるセンサーがあるんでしょ?

そうだよ。でも味を感じるのはベロだけじゃなくて目で見る情報やニオイで感じる情報も味を左右しているんだよ。

食べ物の味を感じるのに目や鼻も関係あるんだ~!

うん、だから目を隠して物を食べたり鼻を塞いで物を食べると味が分からなくなってしまうんだよ。

でも味を感じるセンサーがついているんだよね?

そうだね。実際にはいろんな感覚が複雑に絡み合って機能しているってことだね

味覚は5つでそれぞれ感じる場所が違うんだよね?

味覚は5つで合ってるけど感じる場所というのが実は複雑なんだ!
まず5つの味覚を全部言えるかな?

えっとね~、苦味、甘味、酸味、塩味、と日本人が昆布から見つけた旨味だよね。

そうだね。元々の分布図では甘味は前の方で苦味は奥の方、その間に塩味と酸味があって塩味は前側の両端、酸味は後ろの両端にかかれていて後に旨味が足されたんだ。

じゃあ、この分布図が違うっていうことなんだね?
味覚の分布は勘違いが広まっただけ

最初は1901年にドイツの科学者、David Pauli Hänig が塩味、甘味、酸味、苦味のサンプルを人の舌の異なる部分に滴下することによって、舌の様々な領域で感受性が異なることを発見したことから始まっているよ。

じゃあ、味の感じる部分が違うってことじゃないの?

確かにそう思えるよね。
でも彼は感受性があることは発見したけど、これが味に依存しているとは言っていないんだ。
彼がこの情報をグラフに反映させたたときに、異なる味に対応しているという印象に変わっていったんだよ。

じゃあ、誰かが勘違いしたってコト?

うん、ハーバード大学の心理学者だったエドウィン ボーリングが知覚と感覚についての本を書くにあたって、舌は異なる場所で異なる味覚を持っている事を示した図を掲載して、これが世の中の常識になったと言う説が有力なんだ。

間違った情報が信じられたんだね〜!

そう言うコト!

何か違う証拠が出てきたんでしょ?

そうなんだ、これを覆したのがサンディエゴのカリフォルニア大学で実験室を運営していたCharles Zukerって人なんだよ。

彼は長年の研究で5つの味覚の受容体細胞を同定して(探し当てて)、特定の受容体が特定の場所にあるのではなく、受容体細胞は5つが混合して存在する事を突き止めたんだよ。

5つの味覚がいろんな場所で混ざって存在しているってコトだね!

人の舌には8000個(10000個とも)の味蕾があって、どの場所でもどんな味でも感知できるんだ。
しかも、舌だけで無く口蓋(口の中の天井)や喉にも受容体細胞があるんだよ。

へ〜、ちょっとした勘違いから大問題になるんだね。
辛味と味覚障害

味覚に関しては、もう一つ問題があるんだよね。

何が問題?

辛味を感じない(辛いものが平気な)人は味覚障害ってよくテレビで言ってるんだけど、これも勘違いしやすいよね。

辛さを感じないってコトでしょ?

その通りなんだけど、辛味は味覚じゃなくて痛覚の一種だから、痛みを感じにくいって事なんだ。

ほんとだ、5つの味覚に入ってないんだね!

辛いものが平気な人はより辛いものを食べてしまう事で、代謝する味蕾細胞の再生に時間がかかるので味覚障害になりやすいって話で、辛味を感じないから味覚障害って言うのはおかしな話なんだ。

へ〜、人間が感じる味ってどんなんだろう。
主な参考:http://www.bbc.com/future/story/20171012-do-our-tongues-have-different-taste-zones