鍛える筋肉(骨格筋)の種類が持久力や瞬発力などの運動能力に違いを生むって言う内容だよ!
鍛える筋肉の種類と運動能力

今日は骨格筋、筋肉がテーマだよ

筋肉って不思議だよね〜。
運動で大きくすることもできるもんね。

そう、筋肉には骨格筋以外にも心筋、平滑筋と種類があるんだよ。

ヘ〜、どう言う違いがあるの?

簡単に言うと心筋は心臓を動かす筋肉、平滑筋は心臓以外の血管も含めた内臓の筋肉、骨格筋は身体を動かす筋肉だね。
出典:VISIBLE BODY
細胞(筋繊維)の配列や形の違いさらには異なる特徴を持っているよ!

筋肉と骨格筋って一緒なんだと思ってたよ。どんな違いがあるの?

骨格筋だけが人間の意識で動かせる筋肉、随意筋なんだよ。
骨格筋とは鍛える筋肉のコトだね。

そっか〜、心臓や内臓は自分で動かせないんだよね。

その通り!

自分で動かせる事が大きくなることと関係あるのかな?

どうかなぁ。
ただ人間の筋肉は赤い部分と白い部分とその中間みたいな色があるんだけど、白いところに負荷がかかることで大きくなっていくって考えられているんだよ。

ヘ〜。赤い筋肉はどうなの?

簡単に言うと赤い筋肉は持久力、白い筋肉は瞬発力で、それぞれ担っている役割が違うから赤い筋肉の大きくなる効果は望めないんだ。

なんで色が違うの?

持久力を維持するためにはエナジーを生み出し続ける必要があるんだ。
そして瞬発力を発揮するには筋肉が大きい方がいいし、爆発的にエナジーを生み出す必要があるんだよ。

つまりそれが色の違いに現れるって事?

そう言う事!
エナジーを持続的に生み出すためには酸素が必要になるんだ。
そのために必要なものはマイトコンドリア(ミトコンドリア)、マイオグロビン(ミオグロビン)、血管、大きくはこの3つ。

マイトコンドリアは酸素を使ってエナジーを生み出す装置みたいなものだったよね。

その通り!
その酸素を蓄えて置くのがマイオグロビンの役割なんだ。

血管はマイオグロビンまで酸素を運ぶために必要ってわけだね

ピンポン!
マイオグロビンは赤い色をした色素タンパク質なんだ。
マイオグロビンの構成要素になっている鉄分が赤い色をしていて酸素と結びつくとより赤みを増すんだよ。

だから、筋肉が赤いんだね。

それだけじゃないよ!
マイトコンドリアにもサイトクロムと言う赤い色素が含まれているんだよ。

ってことは持久力のある筋肉ってマイトコンドリアやマイオグロビンが多いって事?

そうだね、マイオグロビンのことはあまり言われていないけど、持久力を鍛錬していくとマイトコンドリアが増えるって言われているね。

ヘ〜、持久力が赤い筋肉なんだ〜!

筋肉の収縮がゆっくりだから遅筋とも呼ばれているよ。

じゃあ瞬発力は収縮が早いから速筋だね?

その通り!
赤筋に対して白筋とも呼ばれているよ。

じゃあ、白筋にはマイオグロビンやマイトコンドリアが少ないってことだね。

そういう事!
こんな言い方もできるよ。
赤筋は息をしていれば持続可能な筋肉、白筋は息をしても持続不可能になる筋肉。

そっか〜。
白筋にはマイトコンドリアとマイオグロビンが少ないから酸素を使いたくても出来ないって事だね。

その通り!
実際に白筋がエナジーを生産しているのはマイトコンドリアに入る前の解糖系と言う酸素を使わなくていい代謝経路なんだ。

解糖系の代謝産物はパイルベイト(ピルビン酸)で、マイトコンドリアの多い赤筋はクエン酸回路に入ってエナジーを大量に作れるけど、マイトコンドリアのない白筋はそれ以上にエナジーが作れなくて乳酸になるんだよ。

じゃあ、中間色の筋肉は何て呼ぶの?

筋肉は筋原線維が集まって出来てるんだけど、タイプⅠ(遅筋線維)、タイプⅡa(速筋線維)、タイプⅡb(速筋線維)、タイプⅡd/x(速筋線維)に分類されているんだよ。

じゃあ中間色は速筋線維のどれかって事だね

そうなんだけど、タイプⅡbはげっ歯類のような小型動物にはあるけどヒトなどの大型の哺乳類には無いからタイプⅡa かタイプⅡd/xのどちらかが中間色って事になるね。
(参照URL:http://physiology.jp/wp-content/uploads/2014/01/075050248.pdf)

どっちだろう?

筋肉の
収縮速度は
タイプⅡd/x > タイプⅡa > タイプⅠの順で、
持久力は
タイプⅠ> タイプⅡa > タイプⅡd/x の順だから、
タイプⅡd/xが白筋(いわゆる速筋)、タイプⅡaが中間色筋って事になるね。

白筋を増やそうと思ったらタイプⅡaでもタイプⅡx(=Ⅱd/x)でも増やせるの?

良い質問だね!それに関しては面白いことが書いてあるんだ。
“たとえば、持久力なトレーニングを積むとタイプⅡx線維の割合が減少しタイプⅡa線維の割合が増加することも知られている。持久的なトレーニングを積んだ場合、ミトコンドリアの増殖や毛細血管の増加、エネルギー産生に関与する酸化酵素活性の上昇といった運動に関する適応が起こるが、それと同時に筋繊維が遅筋化することにより、より持久的な運動に適した筋肉へと変化していると言える。
一方、瞬発的な動作を伴うようなトレーニングを積んだ場合、タイプⅡx線維の割合が減少しタイプⅡa線維の割合が増加することが知られている。
以上のことは、骨格筋に課される動作様式に関わらず、骨格筋は運動を行うと遅筋線維化に向かうものと示唆される。”

簡単に言うと持久力を鍛えても瞬発力を鍛えても中間色のタイプⅡaが増えるって書いてあるんだよ。

一番瞬発力を発揮するタイプⅡxが増えるんじゃ無いんだ⁈

どの位の負荷をかけたのかが明らかではないから何とも言えないよね。
負荷のかけ方がひょっとしたら弱いのかもしれないよ。

確かに重さまでは気にしていないみたいだもんね。

そう言うこと。

速筋と遅筋、奥が深くて面白かったよ
遅筋=赤筋=繊維タイプⅠ
酸素を使って持続的に筋肉の収縮を繰り返し行えるように酸素をためるマイオグロビンやマイトコンドリアが豊富だよ。
マイオグロビンやマイトコンドリアが豊富なので赤っぽい色をしているよ。
息をし続ければ長時間収縮させる事が出来るよ。
速筋=白筋=繊維タイプⅡa又はタイプⅡd/x
マイオグロビンやマイトコンドリアが少ないので長時間収縮を繰り返す事が出来ないよ。
酸素の蓄積と利用が出来ないので息をしても同じだよ。
白い理由もわかるよね。
そう、マイオグロビンとマイトコンドリアが少ないから。
赤筋と白筋の中間はタイプⅡaだよ。
世間ではタイプⅡaとⅡbがあるってよく書かれているけど、Ⅱbは人間にはないんだって。
